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本書は1999年に発生した全日空ハイジャック事件のルポから始まる.
1982年の羽田沖逆噴射事故(乗員乗客24名死亡)でも,その直接原因である機長は精神分裂病状態であった.しかも機長昇格前の1977年頃からすでに,はっきり分裂病とわかる兆候が認められていた.
だがこの著者のまとめは,単にヌルイどころか,1999年のハイジャック事件のまとめと比べて,明らかにオカシイ. 著者の主張では,「悪意」の乗客はいるかもしれないが「悪意」の職員はいない,といっているに等しい.怠惰も一種の悪意だ.そして本書が示すように,職員も人間である以上,精神を病むことは十分にある.だからどちらにも「悪意」を持った人間が入り込みうる.
奥付けによれば,本書の出版は2001年3月だ. 体制の内部であろうと外部であろうと関係ない.「安全管理」というのであれば,責任所在の明確化と管理監視機構の徹底が不可欠であろう.
さすがに元内部の人間だけあって,事故のルポルタージュは,当時の生々しさをよく伝えた,迫力のある読み物になっている.ここで紹介した以外にも,「航空事故処理担当」としての多くの仕事について書かれており,なかなか面白い. 本書はよく書けたルポルタージュだ.だがそれ以上のものではない. |
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| はじめに | |
| 著者在職中の日航機事故一覧 | |
| 第一章 | 前代未聞のハイジャック事件 |
| 第二章 | 航空事故処理担当 |
| 第三章 | 事故防止のための安全管理とは |
| 第四章 | 安全管理の根元にあるもの |
| 第五章 | ハインリッヒの法則 |
| 第六章 | ニアミスの危機管理 |
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