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一般に,先史時代から現在までの歴史の流れというのは、狩猟採集から農耕・牧畜による人口集中,そして人口集中がもたらす技術,政治体制の洗練化という,技術革新を中心した視点で語られる場合が多かった. 例えば,「環境変動により農耕民と遊牧民の活動域が重なることで,文明が生まれた」という説(pp. 72–73)は,僕がかつて教科書で習ったような,「貧富の差が支配者・被支配者を生んだ」という階級闘争の思考をそのまま焼き直したような説よりは,ずっと説得力がある.装身具や奴隷制度が,本質的には,遊牧民の社会制度に根づいているにもかかわらず,文明の生まれた地域が,当時は穀倉地帯であったことも,前者の説の優位性を補強する.
反対の,「トンデモ」系の最右翼は,「アマゾンの先住民に味覚がないように,縄文人は味覚がなかった」(p. 62)だろう.「われわれと同じ味覚は存在しない」とは書いてあるが,全体として,「先住民は食文化が貧しいから,味覚を持たない」としか読めない.
この「トンデモ」を喋っているのが石弘之なのだが,他のパートでも,おかしな発言が多い.例えば,石器の発達が,人類の進化を促した,とか(脳容積の増大は,石器の発達以前に完了している).さらに,反欧米的,アジア優位主義的発言が実に多くて,正直,読んでいて気持ちが悪かった.そう簡単に割り切れるものでもあるまいに.都合のいい所しか見えていない.
ただ,残り二人の話は面白いし,↑に挙げたような例も,「鼻につく」程度にしか気にならないのも事実.全体としては値段の割に情報量が多くてお買い得な本だと思う.また,対談形式なので,あまり頭を使わずに読める. |
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| はじめに(石弘之) | 3 | |
| 序 | 今なぜ環境学を学ぶ必要があるのか? | |
| 【環境史】 マルクス主義史観に押し潰されてきた環境史研究 | 14 | |
| 【年代測定】 歴史認識を逆転させた画期的な年代測定法の発見 | 27 | |
| 第一部 | 現代型新人の誕生から古代文明の崩壊まで | |
| 【現代型新人の誕生】 ネアンデルタール人とマンモスはなぜ滅亡したのか? | 34 | |
| 【農耕革命と定住革命】 北アメリカの巨大“氷河湖”の崩壊と農耕の始まり | 49 | |
| 【火と文明】 火の使用・保存が人類に自然破壊の手段を与えてしまった | 58 | |
| 【古代文明論】 古代“四大文明史観”を覆す長江文明の発見 | 64 | |
| 【縄文時代と都市文明】 巨大な建築を持った三内丸山遺跡は都市文明か? | 82 | |
| 【民族移動と文明】 地球寒冷化と古代文明を滅ぼした二大民族の登場 | 88 | |
| 【精神革命と宗教・哲学】 気候変動がもたらした釈迦とキリストの出現 | 91 | |
| 第ニ部 | グレコ・ローマ文明の誕生から中世ペストの大流行まで | |
| 【水と文明】 たった五〇〇ミリの雨から生まれたグレコ・ローマ文明 | 102 | |
| 【金属と文明1】 金属汚染と引き換えに手にしたローマ帝国の栄光 | 116 | |
| 【金属と文明2】 ゲルマンの森を農耕・放牧地に変えた修道院の破壊行為 | 126 | |
| 【心と文明】 ローマ帝国滅亡の原因を作ったキリスト教の拡大 | 133 | |
| 【奴隷と文明】 イスラム世界へ輸出された白人奴隷の歴史 | 145 | |
| 【文明の基本型】 世界文明の新分類法=「動物文明」と「植物文明」 | 156 | |
| 【病気と文明】 中世ペストの大流行は森林破壊と動物殺戮の報い | 171 | |
| 第三部 | ヨーロッパ世界の拡大から 「欲望全開」 の世紀まで | |
| 【植民地と文明】 イスラムの圧力に押し出された「大航海時代」の幕開け | 182 | |
| 【遊牧民と文明】 ヨーロッパ人の植民地経営法は遊牧民の発想 | 191 | |
| 【新大陸と文明】 ウイルスと自然破壊で手に入れた新大陸の世界 | 196 | |
| 【肉と文明】 肉好きの民族が行き着いたアメリカ型文明 | 206 | |
| 【水と文明】 亜熱帯モンスーン地域の「コメと魚の文明」が人類を救う | 213 | |
| 【化石燃料と文明】 虫まで真っ黒になった産業革命の功罪 | 222 | |
| 【産業革命と文明】 なぜアジアで産業革命が起こらなかったのか? | 237 | |
| 【戦争と文明】 殺人兵器=毒ガスが人口爆発を誘発する不思議 | 242 | |
| 【欲望と文明】 “人類の欲望”が地球環境に敗北する時代がやってきた | 246 | |
| むすび | 環境史から人類の未来を問う | |
| 【環境革命と文明】 人類の破局を食い止める「環境革命」は可能か? | 102 | |
| あとがき(安田喜憲) | 267 | |
| あとがき(湯浅赳男) | 269 | |
| 人類史の革命と気候変動図 | 6 | |
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